「ねむの木学園」が世界に衝撃を与えたのは、その教育方法の独自性にある。彼女が最も重視したのは、勉強や訓練ではなく「芸術」だった。子供たちに絵筆を持たせ、音楽を聴かせ、自由に表現させた。身体にハンディキャップを抱える子供たちが描いた作品は、圧倒的な色彩と生命力に満ちあふれていた。
海外でも展覧会が開催され、パリやニューヨークの名だたる評論家たちが絶賛した。上手か下手かではない。巧みな技術を超えた場所にある「魂の叫び」が、キャンバスから溢れ出ていたのだ。彼女は子供たちの中に眠る無限の可能性を信じ抜き、それをアートという形で世界へと連れ出した。福祉と芸術の融合という新しい価値観は、こうして誕生した。