手術や出産の現場で「想像を絶する痛みを味わった」と語られるカテーテル処置だが、なぜこれほどまでに強い苦痛を伴うのか。そこには女性特有の泌尿器の解剖学的構造と、反射的な筋肉の収縮が深く関わっている。
まず前提として整理すべきなのは、世間で「尿管カテーテル」と呼ばれる処置には大きく2種類が存在する点だ。1つは帝王切開や開腹手術などで尿を体外へ排出し続けるために膀胱へ留置する尿道留置カテーテル(バルーンカテーテル)。もう1つは、尿路結石や婦人科がん手術の尿管損傷防止などで腎臓から膀胱までの尿管内に通す尿管カテーテル(尿管ステント)である。
女性の尿道は男性(約16〜20cm)に比べて約3〜4cmと極めて短い。管を入れる距離自体は短いものの、尿道口の直近には神経が密集しており、恥骨や骨盤底筋群に囲まれている。恐怖や緊張から足やお尻に力が入ると、外尿道括約筋が硬く引き締まり、細い管を無理やり押し通す形になって強い摩擦と刺痛が生じる。
カテーテルの先端には、膀胱内で管が抜けないように膨らませる「バルーン(風船)」がある。このバルーンが膀胱底の非常に敏感な「膀胱三角部」を圧迫・刺激し続けることで、「おしっこが出そうなのに出せない」「常に針で突かれているような」強烈な残尿感と異物感を引き起こす。