職場のチャットツールや私的な連絡先で、受け取った側が返答に窮してしまうメッセージの数々。いわゆる中年おじさんの勘違いLINEは、いまやSNSで頻繁に晒され、嘲笑の対象となるケースが散見されます。
具体的な文面には共通の特徴があります。「〇〇ちゃん、今日もお疲れ様!俺はこれからジムでひと汗流してくるよ(顔文字・汗マーク)」「髪型変えた?前のロングも可愛かったけどショートも大人っぽくて似合ってるよ!」といった、求められていない近況報告(日記風メッセージ)や、プライベートな容姿への評価です。送り手は親しみやすさや優しさをアピールしているつもりでも、受け手からすれば「なぜ業務外の報告を読まされるのか」「監視されているようで不気味」という拒絶反応につながります。
こうした中年おじさんの痛い行動の根底にあるのは、心理学でいう「心理的バウンダリー(境界線)」の麻痺です。他者と自分との間にある適切な距離感を把握できず、「相手も自分に親しみを持っているはずだ」という認知の歪み(投影バイアス)が生じています。若い部下や店員が見せる愛想の良い笑顔や丁寧な相槌は、単なる社会的マナーや業務上の役割に過ぎません。その礼儀正しさを自分への好意と誤認し、プライベートな領域へ踏み込んでしまうことが、敬遠される最大の引き金です。