この事件がもたらす最大の政治的・歴史的打撃は、将来のノルウェー女王となるイングリッド・アレクサンドラ王女への影響だ。マリウスの異父妹にあたる王女は、軍での過酷な訓練にも率先して参加し、高い知性と品格で国民から絶大な人気と期待を集めている。
王女の輝かしい前途に、義兄の犯罪疑惑という拭いがたい汚点が影を落とす。王太子宮殿のセキュリティパスを悪用したとされる疑惑や、宮廷敷地内での不穏な交友関係は、将来の国家元首を取り巻く治安管理の甘さとしても厳しく追及されている。国民の間に「特権階級の免責」に対する強い不信感が広がる中、王位継承の正当性と王室制度そのものの存続意義が厳しく問われている。