時が流れ、人類は実際にブラックホールの姿を撮影することに成功する。国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」が公開したM87銀河の中心天体の画像を見た世界中の人々は、言葉を失った。そこには、数年前に映画の中で提示された姿と驚くほど酷似したリング状の光が浮かび上がっていたからだ。
ハリウッドのエンターテインメントが、最先端の天文学観測に先んじてその姿を言い当てていた。この事実は、キップ・ソーンの数式とノーランの視覚的執念がいかに正確だったかを決定づけた。架空の物語のために作られたVFXが、現実の宇宙の姿を予言していたという皮肉であり、最高の賞賛である。