年齢を重ね、声帯の柔軟性や肺活量は当然ながら変化する。しかし現在の彼女のステージを観る者は、技術の衰えなど微塵も感じない。むしろ、声の芯にある太さと凄みは増している。
ピンクリボン運動をはじめとする社会貢献活動にも精力的に取り組み、自らの体験を社会へと還元し続ける彼女の生き方そのものが、楽曲に新たな文脈を与えている。歌は歌い手の手を離れて育つというが、この楽曲ほど歌い手自身の生き様によって鍛え上げられ、神格化された作品も珍しい。彼女が声を張るたび、客席のそこかしこで目頭を押さえる観客の姿がある。