日本の猫映像文化を語るうえで、写真家・岩合光昭の存在を外すことはできない。街角にたたずむ猫の目線までカメラを下げ、その一挙一動を温かな眼差しで捉える撮影スタイルは、業界に決定的な影響を与えた。
特にNHKで長年放送され、世界中のファンを魅了し続けている『岩合光昭の世界ネコ歩き』は、猫を単なる被写体としてではなく、その土地の歴史や人々の暮らしと共生する「物語の主役」として描き出した。同番組が打ち立てた美学と撮影手法は、現代のクリエイターたちにとっても不可欠な教科書であり、今なお色あせることのない金字塔として君臨している。