海外では一般的な自己表現である一方、サムライブルー(サッカー日本代表)の選手たちがピッチに立つ際、タトゥーの露出を巡っては長年議論が交わされてきました。真夏の酷暑であっても、一部の選手が長袖インナーやタトゥー隠し用のサポーター・アームカバーを着用している姿はファンの間でも有名です。
日本サッカー協会(JFA)の代表招集規約において「タトゥーの禁止」という文言は一切存在しません。それでも選手たちが隠す背景には、日本特有の文化的背景と国民的コンテンツとしての配慮が存在します。代表戦はサッカーファンのみならず、普段スポーツを見ない高齢者や子どもを含む数千万人規模の視聴者が観戦します。タトゥーに対して依然としてネガティブな感情を抱く層や、代表チームのオフィシャルスポンサー企業に対する配慮として、チーム内部で「露出を控える」という暗黙の合意が形成されてきた経緯があります。
例えば、かつて日本代表に名を連ねた井手口陽介は、両腕のタトゥーを覆うために試合中は常にアームカバーを着用していました。一方で、海外経験が豊富な小林祐希のように、自身のアイデンティティとしてタトゥーへの想いを公言しつつも、所属組織のルールやTPOを尊重して柔軟に対応する姿勢を見せる選手もいます。一律に否定するのではなく、社会的な立場を理解した上での「隠す選択」が定着しています。