メディアや公の場において、魚の数え方はどのように扱われているのだろうか。NHK放送文化研究所が発行する用語集や手引きでは、ニュース報道における助数詞の明快な基準が示されている。原則として、生きている魚は「匹」、水揚げされた魚や料理用の魚は「匹」または「尾」、形状が細長いものは「本」とすることが推奨されている。
一方で、文化庁が実施する「国語に関する世論調査」などでは、助数詞の使い分けに対する世代間ギャップが度々話題にのぼる。若い世代を中心に「何でも『匹』や『個』で数えてしまう」という傾向が指摘される一方で、日本語学の専門家からは、過度な規範主義への警鐘も鳴らされている。
言葉はコミュニケーションの道具であり、相手に誤解なく状況を伝えることが第一義だ。放送現場においても、文脈に応じて視聴者が最も情景をイメージしやすい助数詞が吟味されている。杓子定規な正しさを押し付けるのではなく、文脈と情緒に応じた適切な言葉を選ぶ姿勢が、今まさに求められている。