利用者の間で根強く信じられている誤解の一つに、「会員制にして身分証を確認しているから、閉鎖空間であり違法にはならない」「お互いの合意があれば犯罪ではない」という主張があります。しかし、日本の司法判断においてこの論理は通用しません。
刑法における「公然」とは、不特定、または多数の人間が認識し得る状態を指します。たとえ店舗側が入会審査を行っていたとしても、実質的に審査基準が形骸化しており、誰でも会員登録して入店できる状態であれば「不特定の人間が出入りする場所」とみなされます。また、仮に会員数が限定的であっても、フロア内に複数の客や従業員が存在する空間で下半身を露出したり行為に及んだりすれば、「多数の人間が視認できる環境」と認定されるため、公然性の要件を完全に満たしてしまうのです。
店舗が「客同士が勝手にハプニングを起こしただけ」と弁明したとしても、それを予見・容認して場所を提供している以上、経営者や店長には公然わいせつ罪の幇助責任が科されます。合法的な飲食店と違法な風俗空間との境界線は、警察と裁判所によって極めて厳格に引かれています。