政治と宗教の距離感、および宗教法人の財政面は、常に国民的議論の焦点となります。戦前の国家神道体制が軍国主義の精神的支柱となった反省から、現行の日本国憲法第20条および第89条には厳格な政教分離原則が刻まれました。
憲法第20条は「信教の自由」を保障すると同時に「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」と規定し、第89条は公金の宗教組織への支出を固く禁じています。しかし、特定政党を支持する宗教団体の政治活動や、首相・閣僚による靖国神社参拝の合憲性を巡っては、現在も司法判断を含めた激しい法理論争が継続しています。
世間の関心が高い宗教法人非課税の理由については、誤解も少なくありません。非課税措置が適用されるのは、お布施、祈祷料、お賽銭、戒名料など「宗教活動本来の収入」や、礼拝施設・境内地に対する固定資産税です。これらは「信仰に基づく自発的喜捨であり、対価性のある利益追求ではない」という公益的判断に基づいています。
宗教法人が運営する駐車場経営、不動産賃貸、物品販売などの「収益事業」に対しては、一般企業より軽減された税率(約19%)ながら法人税が課税されます。信者数の激減と寺院の荒廃を防ぐための財政基盤維持と、税の公平性を求める世論との間で、課税基準の見直しに関する議論は絶えません。