野球の監督がユニフォームを着用する最大のルーツは、19世紀のアメリカでプロ野球が誕生した時代にさかのぼります。当時、チームの指揮を執っていたのは専任の監督ではなく、グラウンド上でプレーするキャプテン、すなわちプレイングマネージャー(選手兼任監督)でした。
チームの最年長選手や中心打者が打順を組み、自らも打席に立ちながら守備位置からサインを出していたため、選手と同じユニフォームを着ているのは当然の前提でした。日本プロ野球でも、南海ホークスを率いた野村克耶氏や、ヤクルトスワローズの古田敦也氏、中日ドラゴンズの谷繁元信氏など、平成期に至るまで名捕手による選手兼任監督の系譜が受け継がれてきました。
時代が進むにつれて戦術の高度化やチーム運営の複雑化が進み、「専任監督」が主流となった後も、「指揮官は選手とともに戦場に身を置く」という初期の野球文化と実務上の要請がそのまま受け継がれ、現在に至る服装規定の土台となりました。