那須SLランドがこれほどまでに人々の心に残り続けている理由は、他施設にはないユニークな館内構成にありました。なかでも来園者の語り草となっているのが、レストラン蒸気機関車を模した配膳システムです。客席のすぐ脇に敷かれたレールの上を模型機関車がガタゴトと音を立てて走り、注文した料理をボックス席まで運んでくるギミックは、子どもだけでなく大人にとっても胸躍るエンターテインメントでした。
また、館内の中核を担っていた鉄道ジオラマは、緻密に作り込まれた街並みと長大な走行レールを備え、HOゲージやNゲージの車両が一斉に疾走する圧巻のクオリティを誇っていました。自分でレバーを握って模型を走らせる運転体験コーナーには、連日多くの鉄道ファンが行列を作っていたものです。
さらに興味深いのは、敷地内に併設されていた不思議なトリックアートの展示や、ラジウム温泉の効能を謳ったドーム入浴(那須ドーム)といった多面的なアトラクション展開です。「鉄道ランドでありながらアートや温泉サウナも楽しめる」という独特のミクスチャー感こそが、当時のドライブイン文化を象徴する魅力でした。