ドラマ放送当時から週刊誌やエンタメメディアで大きく取り沙汰された木村拓哉と萩原聖人の不仲説。その確執の根本的な理由は、互いが背負っていた「表現者としてのプライド」と「演技論の乖離」にありました。
当時、萩原聖人は数々の映画やドラマで受賞歴を重ね、ストイックに役作りに没頭する本格派俳優としての確固たる自負を持っていました。一方の木村拓哉は、アイドルグループ・SMAPのメンバーとして爆発的な熱狂を生み出し、時代のアイコンへと登り詰めていた時期です。
萩原は当時、役者一筋のプライドから「芝居で勝負している人間と、アイドル活動の延長で演技をする人間は違う」というストイックなスタンスを崩さず、現場でも孤高のオーラを放っていました。撮影の合間も周囲と積極的に群れることなく、台本を読み込んだりクロスワードパズルを解いたりと、あえて距離を置く姿勢を見せていたと伝えられています。
これに対し、天性のカンと全力投球の熱量で作品に命を吹き込もうとしていた木村は、萩原の冷ややかにも見える態度に強い反発と悔しさを抱きました。互いに妥協を許さない20代前半の尖り切った自尊心が真っ向からぶつかり合い、現場にはスタッフすら容易に立ち入れないピリピリとした緊張感が漂っていたのです。