魔女の宅急便モデル街の真相とは?公式舞台スウェーデンと最新聖地

魔女の宅急便モデル街の真相とは?公式舞台スウェーデンと最新聖地

魔女の宅急便モデル街の真相とは?公式舞台スウェーデンと最新聖地の重要なポイントについて、最新情報を詳しくお届けします。

インターネットの普及に伴い、「魔女の宅急便のモデルはクロアチアのドゥブロヴニクである」「オーストラリアのパン屋が完全な元ネタである」といった言説が定説のように語られる場面が増えました。しかし、客観的な制作史を振り返ると、そこには明確な事実とファンの熱意が生んだ誤認の境界線が存在します。

ドゥブロヴニク=コリコ説の真相と誤解のメカニズム

「アドリア海の真珠」と称されるドゥブロヴニクは、確かに海に突き出た城壁とオレンジ色の屋根瓦が広がり、キキが飛翔した風景を想起させます。しかし、映画公開の1989年当時、旧ユーゴスラビア地域は政情不安の兆候を抱えており、ジブリスタッフが同地で公式ロケハンを行った記録はありません。

宮崎駿監督がアドリア海沿岸の景観を本格的に作画へ落とし込んだのは、次回作である1992年公開の『紅の豚』です。後年、両作の美しい情景がメディアや旅行代理店のキャッチコピーの中で混同され、「ドゥブロヴニクこそが魔女の宅急便のモデル」という言説が独り歩きして定着していったのが実情です。視覚的な美しさはコリコを想起させるに十分ですが、制作史上の一次ロケ地ではないという点は押さえておく必要があります。

タスマニア「ロスベーカリー」とグーチョキパン屋の現在

一方、南半球のオーストラリア・タスマニア州にある人口数百人の小さな町ロスに佇む「ロスベーカリー(Ross Bakery)」は、キキがお世話になる「グーチョキパン店」のモデルとして世界的に知られています。薪を使った伝統的なオーブンでパンを焼き続ける歴史あるベーカリーですが、こちらもジブリ公式が「ここをモデルに描いた」と発表した場所ではありません。

事の発端は、1990年代に同店を訪れたバックパッカーや日本人旅行者が「作中のパン屋と佇まいが酷似している」と手紙やノートに残したことでした。温かいオーナー一家がその反響を好意的に受け止め、3階の屋根裏部屋を「キキの部屋」に見立てて旅行者に開放したことから、ファン公認の世界的聖地へと発展したのです。現在も現地では手作りのパンとともに作品への敬意が大切に守られており、商業的なタイアップではない、市井の人々の愛情が生んだ奇跡の聖地と言えます。

キキの街の象徴「時計塔」のモデルはどこにあるのか?

コリコの街の象徴であり、クライマックスで飛行船の事故が起きるあの巨大な時計塔。このモデルについても、単一の建物ではなく複数の意匠が融合されています。主たるモチーフとされているのが、ストックホルム市庁舎(Stockholms stadshus)の角張った重厚なレンガ造りの塔です。

また、時計盤の配置や街並みに溶け込むプロポーションには、スウェーデン国内各地の中世教会や、宮崎監督がかつて訪れたヨーロッパ各都市の市庁舎時計台のエッセンスが巧みにブレンドされています。現実の建造物をそのままトレースするのではなく、アニメーションとしてのダイナミズムを最大限に引き出すために再構築された建築デザインなのです。

石川 優花
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石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。