もともと名古屋鉄道が2017年にぶち上げた当初計画では、名鉄百貨店本店、名鉄バスターミナルビル、近鉄パッセ(近鉄名古屋駅ビル)、日本生命笹島ビルなどを連動させ、南北約400メートルにわたる長大な超高層ビル群を建設、2026年度に着工し2027年度のリニア中央新幹線開業に合わせてオープンさせる青写真を描いていました。しかし、この壮大なプランは複数回にわたる見直しとスケジュール延期を余儀なくされます。
最大の要因は、建築資材の高騰と人件費の上昇です。2026年以降の世界的なインフレと人手不足によって建設コストは当初想定から30%〜40%以上跳ね上がりました。さらに、静岡工区の着工遅延に端を発したリニア中央新幹線(品川―名古屋間)の2027年開業断念(2034年以降への繰り下げ方針)が決定打となり、「リニア開業と同時オープン」という開発の前提条件そのものが崩壊したのです。
度重なる延期報道を受け、地元経済界では一時期「計画そのものが頓挫するのではないか」という不安も囁かれました。しかし、名鉄経営陣がくだした決断は「2026年2月末での営業終了と建て替え推進」でした。立ち止まるのではなく、規模と工期を現実的な水準へと見直し、2030年代の完成を見据えて前に進める選択がなされたのです。