駄菓子の定番であるモロッコヨーグルに対して「体に悪いのではないか」という懸念が寄せられる背景には、消費者の健康意識の高まりと、商品の実態に対する認知のギャップが存在します。最大の発端は、名前に「ヨーグル」と冠されているにもかかわらず、乳製品としてのヨーグルトが一切使われていないという事実を知ったときの心理的衝撃です。
食品表示を確認すると、主原料のトップに記載されているのは「植物油脂」、すなわちショートニングです。ヨーグルト特有のさわやかな風味は、発酵乳の乳酸菌によるものではなく、植物性油脂を泡立てて砂糖やブドウ糖を練り込み、酸味料やフルーツ香料で人工的に再現したものにすぎません。この製造工程を知った人々から「実質的にホイップした油脂の塊をスプーンで直食いしている」と評され、ネット掲示板やSNS上で身体への悪影響を懸念する声が拡散していきました。
さらに、近年注目される超加工食品(Ultra-Processed Foods)に対する警戒感や、後述するトランス脂肪酸への恐怖心が拍車をかけています。日常的に発酵食品としての整腸作用を期待して食べるものではないという前提が抜け落ちたまま、原材料のイメージだけが一人歩きした結果、「モロッコヨーグル=危険」という過剰なラベリングが定着してしまったのが実情です。