家庭におけるバターチキンカレーの普及を語る上で、外食・食品産業が果たした役割を無視することはできない。その象徴が無印良品のレトルトシリーズだ。幾度ものリニューアルを重ね、歴代の配合を変えながら消費者の舌を洗練させ、いまや国民食とも呼べるポジションを確立した。
さらに、エスビー食品株式会社をはじめとする大手スパイスメーカーが、カスリメティやクミンシードを手の届きやすい小瓶としてスーパーの棚に並べたことで、プロの食材は一気に大衆化した。外食でしか出会えなかったエキゾチックな味が、日常の買い物カゴに当たり前のように収まるインフラが整ったのである。