一方で、どうしても科学の枠組みだけでは説明がつかない体験を語る人がいるのも事実です。夢占いやスピリチュアルな世界では、好きな人が夢に出てくる現象を「ソウルメイトとの波長の同調」や「生霊(強い思念)の受信」と定義づける見解も根強く残っています。
カルル・グスタフ・ユングが提唱した「シンクロニシティ(意味のある共時性)」の観点から見れば、夢を見た翌日に偶然相手から連絡が来たり、街中でばったり遭遇したりする出来事は、単なる偶然の一致以上の意味を感じさせます。しかし、これを予知夢の可能性として無条件に盲信するのは危険です。
認知心理学では、これを「確証バイアス」と「無意識下の超感覚的知覚(マイクロシグナルの統合)」で説明します。人間は日常会話の中で、相手の視線の配り方、声のトーン、返信速度のわずかな変化を無意識に察知しています。顕在意識では気づいていない「相手の心理的距離の接近」を潜在意識が計算し、夢というストーリーに仕立て上げて提示しているケースがあるのです。
したがって、予知夢に見える現象の正体は、超自然的なテレパシーではなく、「無意識が導き出した極めて高度な行動予測」と解釈するのが最も建設的です。