順風満帆に見えるメジャー挑戦だが、決して平坦な道ばかりではなかった。出場機会の減少や故障離脱、現地メディアからの厳しいバッシングに晒された夜もある。結果がすべてのシビアな世界で、吉田が精神的な平衡を保ち続けられたのは、家庭という絶対的なシェルターがあったからだ。
関係者によれば、ゆり香夫人はどれほど試合で悔しい結果が出ても、家の中には決して球場の重苦しい空気を持ち込ませないという。一喜一憂せず、常に同じ温度感で出迎える。「野球選手としての吉田正尚」ではなく、「家族の大黒柱としての正尚」として接する彼女のフラットなスタンスが、追い詰められがちな主砲のメンタルを何度も救い上げてきた。