彼の人生は、決して平坦なスター街道だけではなかった。40代半ばから長年にわたり、うつ病という深い病魔との闘いを余儀なくされていたことは有名だ。当時はまだメンタルヘルスについての社会的理解が乏しく、「男が弱音を吐くべきではない」という風潮が色濃かった時代である。
その中で彼は、自らの闘病体験を手記や著書で包み隠さず明かした。「完璧な二枚目スター」が抱えた人間的な脆さと葛藤の告白は、同じ病に苦しむ多くの人々にどれほどの救いをもたらしたか計り知れない。自らの弱さを開示し、病と向き合う姿を見せること。それは、現代のメンタルヘルス啓発の先駆けであり、俳優・竹脇無我という人間の真の誠実さを象徴する出来事であった。