日本の芸能界に目を向けると、独自の質感で観客を惹きつける表現者たちが第一線を走り続けている。その筆頭と言えるのが黒木華だ。昭和の雰囲気を纏う静謐な演技から凶暴な感情の吐露まで、彼女の涼やかな目元はあらゆる時代背景や感情のひだを自在に表現してみせる。
一方で、吉高由里子が持つ独特のニュアンス豊かな眼差しも忘れがたい。可憐さと狂気が背中合わせになったミステリアスな空気感は、彼女にしか出せない味だ。二人に共通するのは、作られた華やかさに頼らず、自身の内に秘めた豊かな感情のフラスコから人間性を滲み出せる圧倒的な地力にある。