スマートフォン単体での通話録画がOSの強固な壁に阻まれる中、映像と音声を完全に両立させる現実解として浮上するのがPC版(Windows/macOS)LINEを用いたビデオ通話録画である。PC環境はモバイルOSに比べてオーディオデバイスのルーティング自由度が高く、システム音声とマイク音声を同時に統合してキャプチャすることが容易だからである。
Windows環境であれば、OS標準機能である「Xbox Game Bar(Win+Gキー)」や、配信者標準ツールの「OBS Studio」を活用することで、相手のビデオ映像と相手の音声(スピーカー出力)、さらには自分のマイク音声を個別のトラックまたは統合トラックとして極めて安定して録画できる。Mac環境においても、仮想オーディオドライバ(BlackHole等)を経由してOBS Studioを構成すれば、相手の表情と声を劣化なくデータ化することが可能である。
一方、モバイル向けにサードパーティが配信している「LINE通話録画アプリ」の評判を調査すると、芳しくない実態が浮き彫りになる。Google Play等で「通話録画」を謳うアプリのユーザーレビューを精査すると、「OSアップデート後に相手の声が録音できなくなった」「雑音がひどく会話が聞き取れない」といった星1〜2の酷評が全体の6割以上を占める。さらに重大なのはセキュリティリスクである。通話権限や画面キャプチャ権限を過剰に要求する非公式アプリの中には、バックグラウンドで個人情報を抜き取る悪質なアドウェアやスパイウェアが紛れ込んでいる事例がセキュリティベンダー各社から報告されている。出所不明の録画アプリを安易にインストールする行為は、通信の安全性を著しく損なう危険な選択肢である。