会話の中でよく疑問に上がるのが、「女性が一人の男性二人に囲まれている場合は何と呼ぶのか?」という男女逆パターンの問題です。
結論から言うと、国語辞典に正式に登録された単独の故事成語としての逆表現は存在しません。しかし、日常会話やメディアでは以下のような言い回しが自然に用いられています。
最も無難で広く通じるのは「逆両手に花」という表現です。また、少しユーモアを交えた俗表現としては、花より実利を取る意味合いから「両手に団子」と言われたり、自虐や冗談めかして「両手に草」「両手に枝」と表現されるケースもあります。ただし、男性側を「草」や「枝」と例える表現は相手を卑下するニュアンスを含むため、親しい間柄以外での使用は避けるのが賢明です。
また、人数比率を表す関連表現として「紅一点(こういってん)」と「黒一点(こくいってん)」があります。これらの位置づけを混同しないよう、明確に区別しておきましょう。
「紅一点」は、中国の詩人・王安石の詩「万緑叢中紅一点(見渡す限りの緑の中に一輪の赤い花が咲いている)」に由来し、「多くの男性の中に、女性が一人だけ混ざっている状態」を指します。これに対して「黒一点」は近代以降の対比語として生まれた表現で、「多くの女性の中に、男性が一人だけ混ざっている状態」を表します。「両手に花」が基本的に「1対2」の構図であるのに対し、「紅一点・黒一点」は「1対多数」の構図である点が明確な違いです。