人口わずか数千人の弓削島。信号機すら片手で数えるほどしかない静かな島に、最先端の船舶シミュレータと高度な通信インフラを備えた校舎がそびえ立つ。全国に5校しか存在しない国立商船高専の一つであり、その中でも「離島にある高専」という独自の立ち位置を持つ。
2026年現在、脱炭素に向けたアンモニア・水素燃料船の導入や、船員不足を解消するための自動運航技術の開発が世界規模で加熱している。この巨大な構造変化の渦中で、弓削の学生たちは日常的に瀬戸内海のリアルな海域を使い、データ収集や制御実験を行っている。教室のドアを開ければそこが実験場という環境は、都市部の大学には逆立ちしても真似できない強みだ。