東三河渇水ニュースが報じられる際、最も深刻な打撃を受けるのが農業現場です。特に愛知県田原市を中心とする渥美半島は、キャベツ、ブロッコリー、トマト、電照菊など日本屈指の農業生産地帯であり、その生命線が豊川用水です。
現地の生産農家からは次のような切実な声が聞かれます。「取水制限が20%を超えると、スプリンクラーによる散水時間を間引かなければならず、出荷前の作物の品質維持が極めて難しくなる」「地下水井戸を持っている農家は限られており、調整池の水も底をつき始めると営農そのものが立ち行かなくなる」といった焦燥感です。
豊川用水の節水理由として、水資源機構は「渇水が長期化した場合に市民生活への影響を最小限に抑えるため、早い段階で農業用水や工業用水の引き締めを行う」という運用方針をとっています。家庭用の水道水(上水)が制限される前段階として、まず農業用水に重い制限が課される構造になっており、これが地域経済に与える間接的な影響は計り知れません。