長年愛される名物の裏には、一切の妥協を許さない独自の製法が隠されている。使用する小豆は北海道産の極上大納言。早朝の澄んだ空気のなか、仕込み水の温度や湿度を見極めながら丁寧にアクを取り除いていく。一見すると地味な作業の繰り返しだが、この手間の積層こそが他店の追随を許さない深い味わいを生み出すのだ。
木型の削り出しから生地の練り具合に至るまで、すべての工程に職人の魂が宿る。指先の感覚だけで生地の伸びをミリ単位で微調整する技は、一朝一夕で身につくものではない。数十年もの歳月を経て研ぎ澄まされた勘と経験が、口の中でふわりと解けるあの絶妙な食感を作り出している。