検索エンジンで和菓子を探すユーザーの間で頻繁に発生しているのが、全国の百貨店に展開する室町時代創業の「株式会社 とらや(虎屋・赤坂等)」との混同です。
日本の和菓子業界においては、江戸時代から明治・大正期にかけて、高名な屋号や縁起の良い動物である「虎」にあやかり、修行先からの暖簾分けや地域菓匠としての矜持を込めて「虎屋菓子舗」「虎屋餅菓子店」などの屋号を掲げた店舗が日本各地に誕生しました。法律上の商標権やフランチャイズ契約による同一企業ではなく、それぞれが独自の歴史とレシピを持つ独立した銘店です。
そのため、全国放送のテレビCMで見かける黒川家の高級羊羹をイメージして訪れると、ショーケースに並ぶ素朴な朝生菓子や庶民的な価格設定に驚くことになります。しかし、この誤解が解けた時、多くの訪問者は「地元で何代にもわたって愛されてきた本物の町菓子舗」の味わいに魅了されることになります。
また、お取り寄せ通販に関する誤解も少なくありません。大手のように大規模なECカートシステムを24時間稼働させているわけではなく、電話やFAX、あるいは限られた時期の地方発送フォームのみで注文を受け付けている場合が多いため、注文から到着までのリードタイムや賞味期限の短さ(保存料が無添加であることの裏返し)を事前に確認しておくことが賢明です。