大阪市西成区で生まれ育った赤井英和は、少年時代から腕っぷしの強さでその名をとどろかせていた。喧嘩に明け暮れていた青年がその強烈なエネルギーを正しく燃焼させる場所、それがボクシングのリングだった。
名門・近畿大学ボクシング部へと進むと、アマチュアボクシング界で瞬く間に頭角を現す。圧倒的なパンチ力と好戦的なファイティングスタイルを武器に、全日本アマチュア選手権を制覇。モスクワオリンピックの有力候補にまで上り詰めた。だが、日本の不参加決定によりオリンピックの夢は幻となる。その悔しさをぶつけるように、彼はプロボクシングへの転向を決意した。
プロデビューを果たすや否や、赤井は「浪速のロッキー」の愛称で瞬く間にスターダムへと駆け上がる。ガードを固めて前に出続け、強打を打ち込むスタイルは、まさに映画『ロッキー』の主人公シルヴェスター・スタローンそのものだった。