彼女の私生活にまつわる憶測の多くは、かつて日本の音楽シーンを揺るがした華やかな人間関係とも無縁ではない。1970年代から1980年代にかけて、フォークロックの潮流からニューミュージックの全盛期へと移行する激動の時代、彼女は多くの才人たちと交差した。
なかでも同じ時代を牽引したシンガーソングライター、吉田拓郎との特別な盟友関係は、長年にわたりファンの間で様々なロマンを掻き立ててきた。拓郎に楽曲提供した「永遠の嘘をついてくれ」での圧倒的なデュエットは今も語り草だが、二人の間にあるのは男女の恋愛を超えた、表現者同士の純粋で強烈なリスペクトだ。
過去には幾度か熱愛がスクープされた時期もあった。だが、どの浮名も決定的な事実には至らず、彼女は常に音楽制作の現場へと帰っていった。私生活の幸福を犠牲にしてでも作品の純度を保とうとする徹底したプロ意識が、結果として「家庭を持たない生き方」を選択させた最大の理由だろう。