では、本物の新出智明は命を落としていたのだろうか。答えはノーだ。彼と彼の家族を暗殺の危機から救い出したのは、組織を追う連邦捜査局(FBI)の捜査官たちだった。
FBIはベルモットの計画を事前に察知し、新出一家が乗った車を事故に見せかけて海に転落させ、遺体が見つからない形で彼らをアメリカへ極秘逃亡させた。証言者保護プログラムの下で身を潜めていた本物の新出は、自らの知らぬ間に自分が死亡したことにされ、犯罪組織に悪用されていたことを後に知る。命を守られた安堵の一方で、自身の手術手腕や人間性が悪人のカモフラージュに使われていた事実に深く苦悩する描写は、彼という人間の誠実さを物語っている。