包丁で綺麗に切り揃えられたこんにゃくは、断面がツルツルとしていて調味料を弾いてしまう。味を含ませるための鉄則は、表面積を物理的に広げ、繊維を不規則に破壊することにある。
もっとも手軽で効果的なのが、スプーンや手を使って一口大にちぎる方法だ。断面に無数の微細な凹凸が生まれ、煮汁が引っかかりやすくなる。断面のギザギザが出汁を抱き込み、噛んだ瞬間にジュワッと旨味が溢れ出す食感を生み出す。
ステーキや大ぶりな田楽にする場合は、両面に斜め2ミリ幅の格子状の切り込みを入れると良い。深さ3ミリ程度の隠し包丁を入れるだけで、内部のグルコマンナン組織の緊張が緩み、短時間の煮込みでも中まで醤油や味噌の塩分が均一に浸透していく。