昔からの言い伝えとして「ハチに刺されたら尿やアンモニアをかける」という俗説がありますが、これは医学的に完全な間違いであり極めて危険な行為です。
スズメバチにアンモニアがNGな理由は、ハチ毒の化学的性質にあります。ハチ毒は単純な酸性(ギ酸)ではなく、ヒスタミン、セロトニン、ペプチド(マストパラン)、ホスホリパーゼといった複雑なアミン類や酵素で構成された多成分系です。アンモニア水(アルカリ性)を塗っても中和作用は一切働かず、かえって皮膚炎や細菌感染を悪化させるリスクが生じます。
もう一つの重大なNG行動は「口で毒を吸い出すこと」です。口腔内に目に見えない微小な傷や虫歯、口内炎がある場合、そこからハチ毒が直接体内に吸収され、口内や気道粘膜が急激に腫れ上がって呼吸困難を招く恐れがあります。毒の抽出は必ず流水と指圧、または専用のポイズンリムーバーのみで行ってください。