経営陣を率いる丸橋裕慶社長(当時副社長)が選んだ道は、業界の誰もが予想しない極端な徹底抗戦だった。それは市場への弁明ではなく、製造ラインの完全な破壊と再構築である。投じられた資金は数十億円。中小規模の食品メーカーにとっては社運を完全に賭けたギャンブルに等しかった。
旧来の工場設備を根本から見直し、国際基準であるHACCP(ハサップ)の厳格な概念を製造ラインの隅々まで導入。従来のプラスチック製容器と発泡スチロール製のフタを完全に廃止し、密閉性の極めて高い多層フィルム構造のアルミシール蓋へと全面的に移行した。これにより、外部からの異物侵入リスクを物理的に遮断する構造を作り上げた。
工場内部はクリーンルーム化され、外気圧よりも内部の気圧を高める陽圧管理を採用。虫やホコリの侵入を徹底的にブロックした。さらに、超高精度カメラを各工程に数十台配置し、麺の形状や異物をミリ単位で識別する画像解析システムを配備。人の目とデジタルの二重三重の防壁を張り巡らせた。