今や軌道上は、巨額の投資資金が飛び交うフロンティアだ。かつては参入障壁が高すぎた宇宙ビジネスにおいて、日本の実験棟は極めて使い勝手の良い「足がかり」として機能している。衛星放出機構の有償利用をはじめ、微小重力環境をサービスとして切り売りするビジネスモデルはすでに黒字化の兆しを見せ始めた。
スタートアップ企業が開発した光学センサーの実証実験から、大手化学メーカーによる次世代ポリマーの曝露テストまで、受注リストは途切れない。NASA(アメリカ航空宇宙局)が商業宇宙ステーション(CLD)構想を推し進める中、日本の民間企業もまた、後継機となる商業プラットフォームを見据えて独自のモジュール開発やサービス設計のノウハウを貪欲に吸収している。
巨額の税金で維持されてきたインフラが、民間企業のプロフィットセンターへと切り替わる。その転換のスピード感は、地上のどの製造現場よりも速い。