二人の関係を語る上で欠かせないのが、川島なお美さんの過酷な闘病生活を夫婦二人三脚で乗り越えた時間だ。病魔に侵されながらも舞台に立ち続けようとする妻のプロ意識を、鎧塚氏は誰よりも近くで理解し、全身全霊で支え抜いた。自身の左目の視力低下という試練に直面しながらも、妻の前では常に穏やかな笑顔を絶やさず、精神的な防波堤であり続けた当時の姿は多くの人々の胸を打った。
メディアで語られる表層的な美談の奥には、互いの弱さを認め合い、背中を預け合った夫婦の実像がある。最後まで女優として美しく生き抜くことを望んだ妻の意思を尊重し、最期の瞬間まで尊厳を守り抜いた夫の覚悟。それは単なる夫婦愛という枠組みを超え、互いの魂を高め合った奇跡のような人間模様であった。