時計の針を1970年代に巻き戻そう。急激な都市化が進む札幌市は、市街地の無秩序な拡大を防ぎ、緑豊かな環境を守るための都市計画を打ち出した。それが「環状グリーンベルト構想」だ。市街地をぐるりと取り囲む緑地帯の拠点として、このモエレ沼の地が選ばれた。
当時、ここは年間数十万トンの不燃ごみが持ち込まれる最終処分場。負の遺産とも言える場所を、文化的な価値をもつ拠点へと転換する構想は、当時の常識を遥かに超えていた。水と緑を再生し、市民に還元する。その壮大なマスタープランの核心に据えられたのが、世界的彫刻家との運命的な出会いだった。