「京王百貨店新宿店が近いうちに閉まってしまうらしい」という噂が急速に広がった背景には、複数の現実的な要因が重なり合っています。最大の引き金となったのは、2026年10月に実施された小田急百貨店新宿店本館の閉店と解体着工です。西口のツインタワーのように並び立っていた老舗百貨店の一角が仮囲いに覆われたことで、来訪者の心理に「新宿西口の昭和・平成の風景が消える」という強い喪失感が刷り込まれました。
2026年2月には、地下の食品売場で長年親しまれていた「紀ノ国屋 デイリーテーブル」が営業終了を迎えるなど、フロア内の一部有名テナントが契約満了に伴い撤退・移転を行いました。この事実が来店客の間で「いよいよ全館閉鎖のカウントダウンが始まったのではないか」という早合点を生み、SNSを中心に断片的な情報が拡散される事態へと発展したのです。
京王電鉄や百貨店側の公式アナウンスを精査すると、現時点で「直ちに全館を完全閉店する」という決定は一切下されていません。現在も地下のデパ地下から上層階のレストラン街、7階大催場に至るまで活発な営業が続けられています。ネット上で囁かれる「閉店説」は、将来確定している都市計画と足元のテナント入れ替えが混同された結果生じた、典型的な情報の先走りです。