Q1:激しいストレスだけで、脳に何の問題もない健康な大人がてんかんを発症することはありますか?
A1:医学的に、精神的ストレス単独で脳内に新たなてんかん焦点が形成されることはありません。ストレスはあくまで、もともと存在していた微小な脳梗塞の後遺症、過去の頭部外傷の痕跡、あるいは潜在的な異常放電を起こしやすくする「誘因(引き金)」です。もし器質的な脳の異常が全くなく、ストレスのみで発作が起きている場合は、心因性非てんかん性発作(PNES)の可能性を考慮して精査を行う必要があります。
Q2:大人のてんかんを疑った場合、初診は何科にかかるべきですか?精神科でも大丈夫ですか?
A2:成人のてんかん診断では、まず頭部MRIによる脳構造のチェックと、脳波検査による放電異常の確認が必須となるため、「脳神経内科」または「てんかん専門外来」を最優先で受診してください。精神科や心療内科でもてんかん診療を行っている病院はありますが、MRI等の画像検査設備が整っていないクリニックの場合、脳梗塞や脳腫瘍などの重要な器質的原因を見落とす危険があるため注意が必要です。
Q3:大人になってからてんかんを発症した場合、自動車の運転や仕事は諦めなければなりませんか?
A3:決して諦める必要はありません。道路交通法において、一定期間(原則として適切な投薬下で2年間)発作が完全に消失しているなどの基準を満たせば、主治医の診断書をもとに運転適性を回復することが認められています。また、職場においても適切な薬物治療で発作が抑えられていれば、多くの職種で通常業務の継続が可能です。公的な就労支援制度や障害者雇用枠の活用も含め、専門医やソーシャルワーカーと相談しながらキャリアを維持していく道が確立されています。