警察に受理される告訴状の書き方|被害届との違いと文例を徹底解説

警察に受理される告訴状の書き方|被害届との違いと文例を徹底解説

警察に受理される告訴状の書き方|被害届との違いと文例を徹底解説の要点を詳しく解説してご紹介します。

告訴状の様式について厳格な法的指定はありませんが、実務上は「A4用紙・縦長・横書き・左側綴じ余白(約20mm)」で作成するのが裁判所および警察の標準ルールです。PCで作成し、鮮明に印刷したものを提出します。

告訴状に必須となる7大要素

警察に突き返されないためには、以下の7つの項目を論理的な構成で配置する必要があります。

  1. 表題:「告訴状」と中央に明記
  2. 提出日および提出先:「令和〇年〇月〇日」「〇〇警察署長 殿」(検察に提出する場合は「〇〇地方検察庁 検察官 殿」)
  3. 告訴人の表示:住所、氏名、押印(認印可、実印が望ましい)、電話番号
  4. 被告訴人の表示:住所(不明な場合は最終判明地)、氏名、連絡先(不明時は「氏名不詳」とし、特定可能な情報・アカウント等を付記)
  5. 告訴の趣旨:「被告訴人の以下の所為は、刑法第〇〇条(〇〇罪)に該当すると考えますので、被告訴人を厳重に処罰することを求め、ここに告訴いたします。」という定型文
  6. 告訴事実:犯罪の具体的構成要件に沿った事実関係(日時・場所・行為・結果)
  7. 立証方法(添付証拠):提出する証拠書類・証拠物の目録(甲第1号証、甲第2号証…と番号を振る)

犯罪類型別の告訴事実記載例(テンプレート)

告訴状の中核となる「告訴事実の記載例」について、特に相談頻度の高い「詐欺罪」とネット上の「名誉毀損罪」の実践的文例を紹介します。

1. 詐欺罪(刑法第246条)の告訴事実記載例

【告訴事実の文例:詐欺罪】

被告訴人は、告訴人に対し、返済する意思も能力もないにもかかわらず、これを秘し、令和〇年〇月〇日、東京都〇〇区〇〇所在の喫茶店「〇〇」において、告訴人に対し、「来月新規事業の売掛金が500万円入金されるので、一時的な仕入れ資金として100万円を貸してほしい。翌月末には利息を付けて全額返済する」などと嘘の事実を告げた(欺罔行為)。
告訴人は、その言葉を真実であると誤信し(錯誤)、同日、自己名義の〇〇銀行〇〇支店普通預金口座(口座番号〇〇)から、被告訴人が指定した〇〇銀行〇〇支店普通預金口座(口座番号〇〇・名義人被告訴人)宛てに、現金100万円を振り込み送金し、これによって被告訴人は同額を交付させ、もって人を欺いて財物を交付させたものである。

詐欺罪の成立には、「欺罔行為(騙す行為)→ 錯誤(信じ込ませる)→ 処分行為(金銭の交付)→ 財物の移転」という因果関係が論理的に繋がっていなければなりません。単に「お金を返してくれない」と書くだけでは債務不履行として扱われるため、「当初から返済原資や返済意思がなかったこと」を客観的事実から示す必要があります。

2. 名誉毀損罪(刑法第230条)の告訴事実記載例

【告訴事実の文例:名誉毀損罪】

被告訴人は、告訴人の社会的評価を低下させる目的をもって、令和〇年〇月〇日午後〇時〇分頃、不特定多数の者が閲覧可能なインターネット上のソーシャル・ネットワーキング・サービス「X(旧Twitter)」において、自己が管理するアカウント(ユーザー名:@〇〇)を使用し、「〇〇会社の社長〇〇は、過去に従業員に対して給与の未払いと横領を行っている犯罪者だ」などという虚偽の事実を摘示した記事を投稿した。
もって、公然と事実を摘示し、告訴人の名誉を毀損したものである。

インターネット上の名誉毀損では、「公然性」「事実の摘示」「社会的評価の低下」の3要件を立証します。投稿画面のスクリーンショット(URL、投稿日時、アカウント情報が確認できるもの)や、発信者情報開示請求によって特定された加害者の決定書面などを証拠として添付することが前提となります。

親告罪における「6ヶ月の告訴期間」という落とし穴

告訴状の作成において極めて注意しなければならないのが、親告罪の告訴期間(刑事訴訟法第235条)です。名誉毀損罪、侮辱罪、過失傷害罪、器物損壊罪などは「親告罪」に指定されており、「犯人を知った日から6ヶ月」を経過すると、いかに重大な被害であっても法的に告訴権が消滅し、二度と告訴できなくなります。

ネット上の誹謗中傷で発信者情報開示請求を行う場合、相手の氏名・住所が判明した日(プロバイダから開示決定が出た日)が「犯人を知った日」の起算点となります。そこから6ヶ月のカウントダウンが始まるため、特定後は躊躇せず速やかに告訴状を提出しなければなりません。

清水 千尋
Author

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。