日本の政治構造において、公明党の存在は対中外交のバランサーとして異彩を放ち続けている。防衛費の増額や反撃能力の保有をめぐりタカ派的な議論が過熱する永田町にあって、中国共産党との対話パイプを死守しようとする同党のスタンスは、時に右派勢力からの激しいバッシングの対象となってきた。
しかし、外務省の官僚たちすら公には語らない現実がある。日中首脳会談の開催が危ぶまれる際、水面下で条件闘争の地ならしを行い、双方のメンツを保ちながら妥協点を探り当てる実務能力において、公明党の重鎮議員たちに匹敵する政治家は極めて稀だ。北京側も、政権の変動に左右されやすい自民党の派閥領袖より、揺るぎない支持母体を背景に持つ公明党のパイプを「長期的計算が可能な対話相手」として高く評価している。