階段昇降は無酸素運動的な筋力強化の側面を持ちながら、優れた有酸素運動として心肺機能を強化するハイブリッドな性質を備えています。階段を2〜3階分上っただけで息が上がるのは、酸素を一気に全身へ送り届けるために心拍数が急上昇している証拠です。この短時間の高負荷刺激が、最大酸素摂取量(VO2max)を高め、心肺系をタフに鍛え上げます。
近年発表された大規模な疫学調査においても、階段利用の健康効果と寿命の相関関係が明確に示されています。英アバディーン大学などの研究チームが発表したデータによると、日常的に階段を利用している成人は、エスカレーター等に依存する人と比較して全死亡リスクが約24%低下し、心血管疾患による死亡リスクに至っては約39%も減少することが判明しました。
また、別の追跡研究では「1日に50段以上の階段を上る習慣がある人は、動脈硬化性心血管疾患のリスクが約20%下がる」という具体的な数値も算出されています。ジムで長時間のワークアウトを行わなくても、駅や職場の階段を日常的に選択するだけで、健康寿命を確実に延伸させる防波堤を築くことが可能です。