国家公務員倫理規程を根底から揺るがした総務省接待問題。その本質は、一民間企業の幹部が「時の首相の長男」という看板を最大限に利用し、許認可権を持つ監督官庁の幹部を次々と料亭や高級割烹へ呼び出した露骨な政官癒着にある。
当時、正剛氏から高額な接待を受けていた面々には、総務審議官や情報流通行政局長をはじめ、将来の事務次官候補と目されていたエリート官僚がずらりと名を連ねていた。手土産やタクシーチケットの提供、1人あたり数万円に及ぶ会食費用の全額負担。それらが「単なる知人との会食」で通用するはずがなかった。
官僚側が断れなかった理由は明白だ。かつて総務大臣を務め、人事権を武器に霞が関を掌握した菅義偉氏の影が、正剛氏の背後に色濃く落ちていたからに他ならない。親の威光を背負った長男の呼び出しは、官僚たちにとって事実上の「業務命令」に等しい重圧を持っていた。