インターネット上でホタルイカを検索すると、必ずといってよいほど目にするのが「寄生虫」の二文字です。特に健康意識の高い層の間で「ボイル品でも寄生虫は大丈夫なのか?」という不安が囁かれています。
厚生労働省が公表している食中毒防止指針によると、ホタルイカの内臓には「旋尾線虫(せんびせんちゅう)」という寄生虫の幼虫が高確率で宿主として寄生しています。万一生きたまま体内に摂取した場合、激しい腹痛や腸閉塞、皮膚爬行症を引き起こす恐ろしい寄生虫です。しかし、この点に関する結論は極めて明確です。
ホタルイカ寄生虫旋尾線虫加熱の安全基準として、厚生労働省は「沸騰水中で中心部まで加熱(直ちに死滅)」、または「マイナス30℃以下で4日以上の急速凍結」を義務付けています。現在スーパー等で販売されているボイルホタルイカは、水揚げ直後または加工場で完全に沸騰湯通しされているため、旋尾線虫の感染リスクは「実質ゼロ」です。注意すべきは、素人判断で釣り上げた生ホタルイカを生食することであり、適切に流通しているボイル品を恐れる必要は一切ありません。
電子レンジは厳禁!失敗しない「ホタルイカ温め直し方」
もう一つの重大な盲点が、冷えたボイルホタルイカの加熱方法です。「少し温めてホカホカの状態で食べたい」と考え、耐熱皿に乗せて電子レンジの加熱ボタンを押した瞬間、庫内で「ボンッ!」と破裂して内臓が飛び散り、悲惨な大惨事になった経験を持つ人は少なくありません。
ホタルイカの皮膜は極めて緻密で、内部の水分と脂質が熱膨張しても外へ逃げ場がありません。電子レンジでマイクロ波を浴びせると、内圧に耐えきれなくなった個体が次々と爆発します。
ふっくらジューシーな温度を取り戻すための正しいホタルイカ温め直し方は、以下の2通りのみです。
- 方法A:熱湯潜らせ法(推奨)
鍋にたっぷりのお湯を沸かして火を止めます。ザルに入れたボイルホタルイカ(下処理済み)をそのお湯に「5秒〜8秒」だけサッとくぐらせ、すぐに引き上げてキッチンペーパーで水気を拭き取ります。皮が縮まず、身がプリッと弾力を取り戻します。 - 方法B:蒸気スチーム法
フライパンに大さじ2杯の料理酒を入れ、クッキングシートを敷いた上にホタルイカを並べます。フタをして中火で約40秒間蒸し焼きにします。酒の香りがふわりと移り、料亭の蒸し物のような上品な仕上がりになります。