原作者である藤子・F・不二雄が描いた漫画『ドラえもん』の紙面において、道具を取り出すコマは常にコマ割りのハイライトとして配置されていた。太いフチ取り、集中線、ダイナミックな擬音文字(オノマトペ)。紙媒体ならではのダイナミズムを、テレビという動くメディアへ移し替える大役を担ったのがシンエイ動画のアニメーターたちだった。
セル画時代には、背景セルとキャラクターセルを巧みに重ね合わせ、光の透過光処理を用いることで未来感を表現していた。これがデジタル制作環境へと移行した現代では、パーティクルエフェクトや3Dカメラワークを駆使したより立体的な演出へと深化を遂げている。しかし、どれほど技術が進化しても「道具を取り出してカメラに向かって掲げる」という基本的な構図とタメの表現は、藤子・F・不二雄が描いた原作の魂をそのまま踏襲し続けている。