オカルト掲示板やSNSでは、菅生の滝に関して「白い人影を目撃した」「視線を感じる」「写真を撮ると不可解なものが写り込む」といった心霊現象の噂が絶えません。心霊スポットとして語られるようになった背景には、主に3つの要因が絡み合っています。
第1の要因は、過去に実際に発生した悲惨な水難事故や転落事故です。自然豊かな観光地である一方、過去数十年間の間に遊泳中の溺水や滝壺への飛び込みによる死亡・重傷事故が複数件報告されています。こうした痛ましい出来事が人々の記憶に残り、尾ひれがついて怪談話へと変貌していった側面は否めません。
第2の要因として、かつて現場付近に存在した公衆電話ボックスや古いトイレといった人工物にまつわる都市伝説が挙げられます。山中の寂れた施設はオカルト的な想像力を掻き立てやすく、ネット創世記のテキストサイトや掲示板で誇張されて拡散されました。
第3の要因は、地形と気候がもたらす心理的効果です。谷底に位置する菅生の滝周辺は、日中でも直射日光が遮られ、水音によって周囲の物音が掻き消されます。人の脳は曖昧な刺激に対して意味を見出そうとする心理現象(パレイドリア)を起こしやすく、水しぶきや風に揺れる木々が人影や不気味な音に知覚されやすい環境が整っているといえます。