イーストフードとは、単一の物質ではなく「パン酵母(イースト菌)の活動を活性化させるための栄養源」として使われる食品添加物の総称(一括名)です。人間が活動するために食事を必要とするように、パンを膨らませる酵母菌にも発酵をスムーズに進めるためのミネラルや栄養素が欠かせません。
日本の食品衛生法において、イーストフードとして使用が認められている原材料成分は合計16種類の指定添加物に限られています。主な成分には以下のようなものがあります。
・塩化アンモニウム(酵母の窒素源となり増殖を促す)
・炭酸カルシウム、硫酸カルシウム(生地の弾力を高め、水質を調整する)
・リン酸塩類(リン酸二水素アンモニウムなど。pHを酵母の活動に適した弱酸性に保つ)
・硫酸マグネシウム(酵母の代謝酵素を活性化させる)
製パンメーカーはこれらの成分の中から通常3〜5種類を適切に配合して使用します。原材料表示において「イーストフード」という一括名での記載が認められているため、個別の化学物質名が並ばず、かえって「得体の知れない化学物質が入っている」という不信感を生む一因にもなっています。