北杜夫の文学と波乱の生涯!父・斎藤茂吉の影と躁うつ病の真実

北杜夫の文学と波乱の生涯!父・斎藤茂吉の影と躁うつ病の真実

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北杜夫(本名・斎藤宗吉)の文学的出発点は、白衣をまとった医師・精神科医としての現場にありました。旧制松本高等学校を経て東北大学医学部を卒業後、慶應義塾大学病院の精神神経科に勤務していた彼は、激務による心身の疲労を癒やす目的も兼ねて、水産庁の漁業調査船「照洋丸」に船医として乗り込みます。この約半年に及ぶ船旅こそが、日本文学史に輝くユーモアエッセイを生み出す契機となりました。

航海中の体験を綴り、1960年に刊行された『どくとるマンボウ航海記』は、瞬く間にベストセラーを記録します。気になるどくとるマンボウ航海記のあらすじは、船医として乗り組んだ青年医師が、シンガポール、スエズ運河、ヨーロッパ各地へと航行する船上で巻き起こるドタバタ劇や、個性豊かな船員たちとの交流、寄港地での珍騒動を、自虐と知的なアイロニーを交えて軽妙にスケッチしたものです。

当時としては極めて斬新だったナンセンスな笑いと、水族館のマンボウのように飄々とした語り口は、戦後の復興期を生きていた読者の心を一気に掴みました。「精神科医が書いたユーモア文学」という独自のポジションを確立し、以後「マンボウ」の名は北杜夫の代名詞として定着していきます。

山口 彩花
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山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。