60代を迎えてなお、久保田利伸の声量は衰えるどころか凄みを増している。キーを下げることなく、どころか原曲以上のシャウトや緻密なフェイクを畳みかけるボーカルワーク。一体どこにそのエネルギーが秘められているのか。
秘密は、徹底された体幹トレーニングと、黒人音楽に対する弛まぬ敬意、そして何より「ステージを楽しむ」という純粋な情熱にある。同じ曲であっても二度と同じ演奏にはならない。その日、その場所、その瞬間の客席の反応を感じ取りながら、コンマ数秒単位でリズムを跳ねさせる。これこそが、音源では絶対に味わえない生の醍醐味だ。