毒に侵され、残されたわずかな時間の中で打たれる最後の軍儀。あの真っ暗な暗闇のなかで交わされる二人の会話は、マンガ史に残る屈指の名シーンとして知られる。「コムギ、居るか?」「はいな はいな 勿論居ますよ」。
世界を征服しようとした王が、最期に望んだのは権力でも勝利でもなく、ただ一人の少女と盤を挟んで過ごす静かな時間だった。盲目のコムギは王の死期を悟りながらも、自ら毒の連鎖を受け入れ、共に逝く道を選ぶ。大袈裟なアクションも派手な決闘もない。ただ漆黒のコマの中で紡がれる対話だけで、二人の永遠の結びつきを描ききったその演出は、発表から年月が経過した今もなお、読む者の胸を締め付けずにはいられない。